2005年06月19日

管理部門の改善の事例本は少ない

業務改善の仕事を経験した中で、私が担当してきたのは管理部門の業務改善です。
管理部門というのは、総務部、人事部、経理部、情報システム部、企画部、広報部、秘書室といったような全社機能をつかさどる部署です。
一般的にいうと、業務改善は全社機能担当部門より、事業に直結する現場の部門から着手されるというのが多くの企業の事例でしょう。
メーカーであれば、生産現場ではよくQC活動が行われています。
QC活動が全社的に行われている会社では、管理部門でも同様に活動が行われていると思いますが、だいたいは現場側の活動にひきづられてやっているのが現状ではないでしょうか。

私は、管理部門の業務改善の担当者になったとき、他社事例とか業務遂行のノウハウの知識を得たくて、いろいろな書店へ足を運んで参考文献を探してみました。
ところが、欲しかった本はほとんどありませんでした。
総務部の業務、人事部の業務、経理部の業務というふうに各機能ごとの業務について書かれていた本はわりとあったのですが、各機能ごとの業務改善のやり方について書かれているような本は残念ながらありませんでした。


しょうがないので、仕事は試行錯誤しながら進めるしかありませんでした。
もっとも、実際は社外コンサルタントのアドバイスなどももらったので、完全に独力というわけではありませんでしたけどね。
ただ、市販されている書籍等から情報やノウハウを吸収することが難しいので、こういった管理部門の業務改善を担当することになった人は苦労するかもしれません。

管理部門の業務改善という場合、改善策としてよく出されるのが「システム化」です。
紙書類や紙書類による手続きを簡素化、効率化するにはシステム化が手っ取り早いというわけです。
だから、稟議書の電子化だの伝票処理の自動化だのといったアイデアがすぐ出てくるのです。
あと、手書きだったものをワープロ化したり、数値データであれば表計算ソフトを使ったりというのは簡単なやり方としてよく採用されます。

ところが、管理部門の業務改善の本質というのは、何でもかんでもシステム化すれば済むというものではなく、業務自体を見直し業務全体を再定義するところにポイントがあるのです。
無駄な処理や手続きのプロセスをそのまま残した状態でシステム化をはかっても、実は何も改善につながらないのです。
もちろん、個別業務の時間短縮ぐらいはできるかもしれませんが、もしその業務自体が本当は無駄な業務であってもそのまま継続されてしまうことになります。

管理部門の業務改善を進める上でまず最初に行うべきことは、業務の全貌を把握することです。
管理部門の場合は、外部の人にはわかりづらい業務がたくさんあるものです。
そして、担当者しか業務を知らないという属人的業務もたくさんあります。
ですから、業務改善担当者は、現状をきちんと把握し、そこを出発点にして改善に取り組んでいったほうがいいでしょう。


kaizennooni at 10:59│Comments(4)TrackBack(0)clip!改善の難点 

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この記事へのコメント

1. Posted by そら   2005年06月20日 01:26
話の腰を折ってしまうかもしれませんが……

経営者の意図はわかりませんが、全社的な観点から言えば管理部門の業務改善を推進する
よりも、管理部門をアウトソーシングすればよいと思うのですが? 管理部門のヒトは、
キャッシュを生み出す他部門へ配置転換するか、それが無理なら人員削減もやむを得ない
かもしれません。

丸投げするか、部分的なものに留めるかといったアウトソーシングを適用する範囲の問題
や話の対象としている企業の経営規模にもよりますが、管理部門のアウトソーシング化は
時代の流れとなっています。(別に権威を振りかざすつもりはありませんが)ピーター・
ドラッガー氏は著書『未来企業』(ダイヤモンド社)の中で事務処理や管理業務などの生
産性向上はアウトソーシングしかないと言っています。

この点についての御意見をお聞かせ願えればと存じます。
2. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年06月20日 22:03
そらさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

貴重なご意見をいただきありがとうございます。
アウトソーシングについても私なりの意見を書いてみたいと思いますが、
ちょっと長くなりそうなので、あらためて記事にしてみます。
コメントは字数制限があるので長文が書けないのです。
よろしければまたご意見くださいね。
3. Posted by 管理解体論者   2008年03月07日 01:07
管理部門は、不要。偉そうなだけ。すべて分社化する。
4. Posted by 角川真也   2013年06月02日 00:37
ヨロンさん、こんにちは。このサイトはとても参考になります。

 申し遅れましたが、私は事務所の生産性向上を専門とするコンサルタントです。上記のお二方のご意見は、工場の管理部門以外の部署の方からよくお聞きします。「管理部門=金食い虫」が根底にあります。現状では、こんなひどいことを言われてもしょうがないのかもしれませんね。
 本件に対する私の見解は「現状管理部門は機能不全を起こしている。その原因は正しい(費用対効果のペイする)管理(マネジメント)手法を知らないからである」というものです。
 アウトソーシング化の前に、トリプライズ改革(私のHPをご覧ください)で管理部門の機能復活を!!というのが私の主張です。

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